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都築由浩
SFやらミステリやらホラーやらをライトノベルジャンルで書いている作家。
コミック原作・編集デザインなどその他さまざまな職業を兼業する。
クルマ・R/Cカー・自転車・ホビーロボットなど多趣味で、それらの道具や仕事の資料が散らばる自室が常にゴミ箱のような様相を呈していることから、巻末に『9畳のゴミ箱より』と記する。
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2008(C) Yoshihiro Tsuduki
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DVDをいろいろ紹介
 先日紹介した『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』に関連して、いくつかの映像作品を紹介しておきましょう。私が好きな作品、作品を書く上で参考になる作品、すごいとおもった作品です。
 それぞれの作品についてのコメント、およびBlueRay版へのリンクは、下の『続き▽』をクリックしてください。






 まずはアメリカのTVシリーズ作品から『LOST』。
 先日、スカパー!のAXNでシーズン5の第1話先行放送を見ました。
 シーズン1から、フラッシュバック的な手法で登場キャラクターの過去が少しずつ明かされていくというスタイルで、謎が謎を呼ぶ展開だったのですが、シーズン4の中盤くらいからは「タイムマシン」が登場。わけがわからない展開が始まっています。
 シーズン5ではそのタイムマシンが暴走しているのか、キャラクターたちが次々に時間を渡り歩いてしまうため、本当にストーリーがわかりません。
 それぞれ1話1話は面白いのですが、これは結末を想定して脚本を書いているのか? と疑問に思ってしまいます。
 拙作『CAVE IN』は、この作品のシーズン1にインスパイアされて書いた小説なのです。


 海外TVドラマのショートシリーズ(全8話)『キル・ポイント』は、現在スカパー!のSuperDramaTVで3話まで放送されています。

 元イラクにいた海兵隊員の銀行強盗グループと、警察の交渉人との対決を描いた作品で、 強盗グループのリーダーと交渉人の両方が主人公として扱われています。見た目アクションっぽいけど、心理ドラマの側面が強い。そしてなによりも脚本がいい。

 こうした事件の場合、銀行に立てこもる強盗グループの方が圧倒的に不利。時間が経てば経つほどその傾向は強くなるのが普通です。
 ところがこのドラマでは、交渉人側に都合の悪い事情がどんどん出てきて、逆に強盗側には有利な状況が次々生まれています。

交渉人側:
・FBIの横やりで、やりたくない突入作戦が強行される。
・人質の中に大富豪の娘がいて、その父親が「自分の娘を優先して助けろ」
 と言ってくる。
・FBIの横やりで、交渉人から交渉人助手に格下げ。外される。

強盗側:
・イラク帰還兵を名乗って「イラク戦争に賛成した議員の息子を軍に入れて
 イラクに送れ」と宣言したら野次馬から歓声があがる。
・人質とも信頼関係が築かれつつある。
・人質の中にハッカーがいて、警察の知らないルートで、娘を助けたい一心
 の大富豪と連絡がつけられるようになった。

 3話までですでにこれ。
 この先どうなるのか、まったく予測もつきません。この「急展開の連続」感は、『24』や『プリズン・ブレイク』のそれに近い。
 ただ「銀行に立てこもる強盗グループと警察の交渉人のドラマ」というだけで、8話分実放映時間にして6時間もあるストーリーを、サスペンスたっぷりに組み上げてしまう脚本家の腕前に感服します。


 映画『ナイト・ミュージアム』は、2006年に公開されたアメリカ映画。
 『ジュマンジ』の流れで、CGを多用して恐竜の骨格や野生動物、モアイ像などが、夜の博物館の中で動き回り、暴れ回り、走り回っています。
 しかし『ジュマンジ』と全く違うのは、この作品が古典的な脚本術の上にしっかりと描かれたストーリーを持っているということ。
 そして個人的にとても気に入っているのは、この作品には『いやな悪人』が出てこないということ。
 子供と一緒に家族で見て、大笑いして楽しめる映画です。



 ダメな父親の典型だった主人公が博物館の夜間警備員の職にありつくと、その博物館では『呪いの石板』の力により毎夜毎夜展示物が動き回っていた……という設定で、様々なアクションが繰り広げられます。
 地味で、世間的にはそれほど評価されていませんが、とにかくおすすめ。特に小説家志望の人には、ストーリーラインがシンプルで分析しやすい。『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』を片手に脚本の流れを分解すれば、自分の作品を書くときに参考になること請け合いです。



 AXNで再放送がはじまった海外TVドラマ『刑事ナッシュ・ブリッジス』。
 個人的には80年代に作られたヒーロー刑事ものの最高傑作だと思っています。
『マイアミ・ヴァイス』で一発当てたドン・ジョンソンがエグゼクティブプロデューサー兼主役として、ひたすら自分のために作ったドラマシリーズ。なにせ自分のために作ってるからドン・ジョンソン演じる主人公ナッシュ・ブリッジスはなんでもできるスーパーマン刑事。
 法律も警察の内規も全部自分の都合のいいようにひん曲げて、犯罪者を捕まえる。
 思うに『CSI:マイアミ』のデヴィッド・カルーソは、このナッシュ・ブリッジスをやりたくてやりたくて、このシリーズを引き受けたのではないだろうかと思っています。『NYPD BLUE』の頃からそんな雰囲気はあったけれど。
 日本語版は野沢那智さんの声がまたいいのだけれど、このDVD-BOXはアメリカ版なのだなぁ。
 アメリカ版のDVDなので、リージョンの関係で日本のDVDプレイヤーでは再生できない可能性があります。あらかじめご了承ください。


 ここからは日本のアニメーション映画作品を二つ。
 まずは『時をかける少女』から。
 言わずと知れた傑作映画です。最初の劇場公開時、小規模上映の予定だった作品が、口コミで好評が広がりに広がって全国のロードショー館を渡り歩く大ヒット作になり、DVDが発売されるまでずっと日本のどこかの劇場で観ることが出来たという希有な映画。どれほどのものかわかるでしょう。
 この作品も、『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』で紹介されている脚本術にしっかりと則った手法で作られています。
 専門学校等でたまにやっている『映画を分析して自分の作品に生かす』授業でも、この作品をサンプルにストーリーラインを分析しています。


 筒井康隆の原作『時をかける少女』の20年後の世界を舞台に、原作と同じ『一人の少女と二人の少年』『少女がタイムスリップする能力を得る』という要素を使い、すばらしいストーリーが織り上げられています。
 原作の主人公である芳山和子も、主人公のおば(未婚・博物館の職員・通称『魔女おばさん』)として登場します。
 とにかく、あらゆる人におすすめの一作です。


 最後の一作は押井守作品。『スカイ・クロラ』です。
 原作(私は未読)付きなのでストーリーはある程度原作に沿っていると思うのですが、押井節全開。個人的にはあの傑作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の再話だと思っています。
 かなり陰鬱な作品です。映像面でもシナリオ面でもストーリー面でも。ですので、暗い作品が好きな人にしか勧められません。
 ストーリー作りの参考になるわけでもありません。ていうかかなり常道から逸脱した作品なので、これを参考にしちゃダメでしょう。この世界観は、押井守にしかできないものです。


 そんな作品をなぜここで紹介しているかというと『私が大好きだから』です。

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| 映画&海外ドラマ | 12:48 AM | comments (0) | trackback (x) |

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