10月末に開催予定だった2010年のワールドドロームが、台風のために延期になって、12月4・5日の二日間開催になりました。
ワールドドローム。もう10年以上も参加しているし何年も紹介し続けているのでご承知の方も多いでしょうが、伊豆修善寺にあるオリンピック競輪競技の練習用コースを使用して行われる、日本最速の電動R/Cカーイベントです。
コースは1周250m、最大バンク角45度、ストレートでも7度のバンクを持つ特殊な規格のオーバルピストで、このレースの時だけ特別にR/Cカーを走らせることができるのです。
主催はR/C専門誌のRCワールド。すでに同誌の名物イベントと化しています。
台風順延で急に日程が変更になったにもかかわらず、今年も5クラス100台が集結する大規模なレースとなりました。
アメリカンモータースポーツを代表するNASCARやインディカーを模した各クラスの内、わたしは2001年以来ずっと、スーパートラッククラスに参加しています。
これが今年のピットの様子。手前がメインのテーブルで、工具箱を挟んで小さなテーブルは充電専用ピットとしています。
今年はiPadから随時twitterにアクセスできるようにしました。
しかしこの二日間、まさかあれほど不運の連続に見舞われるとは、この時のわたしは予想もしていなかったのです。
12月開催となったことでいつもと一番違ったのは、第4ターンに「一日中日の当たらない場所」ができてしまったこと。左の画像は12時半頃に撮影したものですが、朝露がまだ乾いていません。結局この第4ターンは一日中こんな様子で低グリップ路面。しかもここには路面ギャップがあり、ラインによってはクルマがジャンプしてしまうほどの状態でした。
そんなわけで4ターン脱出部分アウト側のフェンスの餌食になるクルマは早い段階からかなりあったのです。
で、わたしはというと、様々なトラブルに見舞われました。
練習走行:スタート直後の第1ターンでスピン。その後もスピンを繰り返す。
撮影時にクルマが転がらないようにするためのストッパーを外し忘れていたのが
原因と思いこみ、それを外して予選に備えたのでした。
第1予選:スタート直後の第1ターンでスピン。その後もスピンを繰り返す。
練習走行とまったく同じ症状で、これはなにか電波関係のトラブルだと思い、ス
タッフに申し出てプロポの周波数を変更させてもらいました。
第2予選:スタート直後の第1ターンでスピン。その後もスピンを繰り返す。
やはり同じ症状です。ここで今年はじめて投入したFUTABAのHRS(ハイレスポ
ンス)受信機が原因と見切りを付けて、昨年まで使用していたPCM受信機に交換。
第3予選:1周目第4ターンでハーフスピン。アウト側フェンスに激突。
やっとレーシングスピードにのせることができましたが、最初に紹介した
第4ターンの餌食に。
これでイベント1日目が終了です。
被害は右画像の通り。右リヤタイヤが粉砕されました。ショップで同じタイヤを買って、二日目に備えました。
第4予選:スタート直後の1コーナーで他車と接触。リヤハブの固定が緩み、ギヤがずれて駆動不能に。
よくある軽い接触でしたが、当たり所が悪かったようです。リヤハブを接着する
という荒技で対策を施して最終予選に備えました。
第5予選:スタート位置でモーターが回転せず立ち往生。
これはまったく原因不明のトラブルです。スタート位置でステアリングが動いて
いることは目視で確認できたので、スイッチ入れ忘れではありません。なのに
コース上ではモーターが動かず、ピットに戻った途端なにごともなかったかのよ
うに動いたのです。
決 勝:1周目第4ターンでスピン。アウト側フェンスに激突。
完全にスピードに乗ったところで、またもや第4ターンの餌食になって、今年の
ワールドドロームは結局1ラップもまともな周回をできずに終了してしまいまし
た。
さて、家に帰ってから、シャシーの被害状況を確かめてみました。
上画像はシャシーの前半分です。フロントアッパーデッキが真っ二つ(赤い線が切断部)&層間剥離(上画像の青丸&右画像の青矢印)を起こして裂けています。赤丸部のアルミステーは合計4カ所(上画像では1カ所サーボの反対側で見えないので、右画像および右下画像の青丸で確認して下さい)でブチ折れていました。
右画像の緑色の矢印では、ポリカーボネート製のディフレクターが片方ちぎれてとんでしまっています。
さらに左フロントサスのアッパーアームの樹脂部品が割れて、4mmネジがグラグラになってしまっています。この部品はアメリカのIRSというサードパーティ製の部品でかなり以前に生産終了しているので、もう手に入らないでしょう。
リヤ回りでは、Tバーが完全に折れてしまっています、さらに、リヤアッパーデッキとメインシャシーを繋ぐダンパーのピロボールが、3mmネジがすっぽ抜けてダンパーごと紛失していました。
他にもリヤボディマウント用シャシー板も亀裂が入っていたりして、2.7mmの板厚を持つメインシャシーを除くほぼ全てのカーボン板部品が全損していました。
来年はまたまっさらのシャシーを用意しなければ参加できないわけですが、実のところ、夏のセントレアのレースでYOKOMOのドリパケをもらっちゃっているので、ナスカーライツへのクラス替えをかなり真面目に検討しています。
あ、ろくに走れはしませんでしたが、イベント自体は楽しんでいましたよ。
超高速走行をするワールドドロームでは、ドライバーにコースの状況を知らせるための「スポッター」と呼ばれる助手が付くのですが、仲間と一緒に参加している人ばかりではないので、その補充要員として楽しんでいました。
いやあ、しかし、まあ、こんなに走れなかったドロームははじめてだなあ。
来年のシャシーどうするか、本当にかなり真剣に考えないといけないなあ。