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都築由浩
SFやらミステリやらホラーやらをライトノベルジャンルで書いている作家。
コミック原作・編集デザインなどその他さまざまな職業を兼業する。
クルマ・R/Cカー・自転車・ホビーロボットなど多趣味で、それらの道具や仕事の資料が散らばる自室が常にゴミ箱のような様相を呈していることから、巻末に『9畳のゴミ箱より』と記する。
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2008(C) Yoshihiro Tsuduki
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iBooksAuthorを使ってみました。
 1月19日(米国時間)にAppleから発表されたiBooksAuthor、早速使っています。
 iBooksAuthorは、電子書籍を作るためのオーサリングソフトです。電子書籍の中でも、特に教科書に特化しているという発表でした。
 日本では展開されていませんが、AppleはアメリカではiBookStoreという電子書籍のオンラインストアを運営しています。iTunesStoreと同じように、ネット経由で気軽に電子書籍を購入して、iPadまたはiPhoneで読むことができるのです。
 iBooksAuthorはその名の通り、このiBookStoreで配布/販売する電子書籍を作ることができるアプリケーションなのです。

 起動して最初に確認したのは、電子書籍を公開する時の条件。
 このアプリケーションでは「電子書籍を無料公開する場合は、どこでどのように公開するのも自由。有料で販売する場合は、Appleが運営するiBookStoreのみで販売し他の電子書籍ストアでの販売は不可」となっていました。
 電子書籍のファイル自体にはDRMが組み込まれていないという(無制限のコピーを防止するDRMはiBookStoreとiTunes、iPad/iPhoneという環境の中に組み込まれている)こともあって、まあ、妥当な条件だと思います。

 で、とりあえず「特に教科書に特化」という部分は無視して、中編の小説を電子書籍化しようとして、ちょこちょこと作業を進めていたのですが、どうもうまくいかない。できなくはないんですが、なんか違和感を感じました。
 作業性は問題ありません。AppleのiWorkと同じグループが開発に当たっただけあって、使い勝手はApple純正のプレゼンテーションアプリ(MicroSoftでいうところのPowerPointにあたります)であるKeynoteにそっくりなので、ヘルプを見なくてもほとんど使い方はわかります。
 なのに、やはり違和感がぬぐえなかったのです。
 それで作業の途中ではあったのですが、一度電子書籍としてデータを吐き出してiPadで読んでみることにしました。
 すると、驚くようなことがわかったのです。

 これまでiBookStoreで扱われている電子書籍はオープンな国際規格であるePub形式でした。
 この形式は、html(ホームページを記述するための言語)と同じように画像等のレイアウトをブラウザ任せにすることで、文字の大きさを読者が自由に設定できるところがメリットでした。画面の小さいiPhoneで読む時は文字を大きく(1ページあたりの表示文字数を少なく)して読むことができるからです。
 このePub形式は、ファイルの形で見ると拡張子「.epub」がつくのがルールでした。
 ところが、iBooksAuthorで作った電子書籍は、拡張子が「.ibook」になっています。
 さっそく、ある方法を用いて中身を覗いてみましたら、基本的にはePubのルールに従いながら、独自に拡張したまったく別のファイル構造/形式だったのです。
 さらに試しに、MacBookAir上で動くePubビュワーで.ibook形式の電子書籍を開いてみると、かろうじてテキストは表示されるものの、まったく意図しないデザインでまともに読むことができません。
「iBooksAuthorのリリースと同時に、iPad/iPhone用電子書籍リーダーアプリiBooksを2.0にバージョンアップしたのは、こういうことだったのか!」
 納得しました。
 つまりAppleは、「教科書に特化」するためにePubを独自に拡張し、独自形式の.ibook形式という電子書籍フォーマットを作り、それを表示するためにiBooksをバージョンアップしたのです。

 iBooksAuthorで小説を電子書籍化する意欲が一気に失せました。
 挿絵がほとんどない……あっても1ページ丸ごと挿絵になって、文章とイラスト/写真が混在しない電子書籍であれば、こんな独自形式にしなくてもePubで電子書籍化すればいいのです。そうすれば、有料で販売することになったとしてもAppleの使用許諾に縛られることがありません。
 反面、.iBook形式にも魅力はあります。
 教科書に特化しているだけあって、用語事典を内蔵できるのです。
 とするならこれは、やはり「教科書的な」コンテンツをiBooksAuthorで電子書籍化すればいいではないか。
 そう思い、超初心者のためのRCカー入門ガイドを電子書籍化することにしました。
 ついでに、何回かにわたるサーバー移転で画像が抜け落ちたり、時代の変化によって内容が古くなったりした部分の改修も進めています。
 電子書籍としての見栄えを整えるために、本文の説明とかではなく飾りとしての画像をかなり追加しなければならず、その作業に少し時間がかかりますが、楽しみにお待ち下さい。
| https://blog.tsuduki.com/index.php?e=347 |
| お仕事(小説/SF) | 03:23 AM | comments (0) | trackback (x) |

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