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都築由浩
SFやらミステリやらホラーやらをライトノベルジャンルで書いている作家。
コミック原作・編集デザインなどその他さまざまな職業を兼業する。
クルマ・R/Cカー・自転車・ホビーロボットなど多趣味で、それらの道具や仕事の資料が散らばる自室が常にゴミ箱のような様相を呈していることから、巻末に『9畳のゴミ箱より』と記する。
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2008(C) Yoshihiro Tsuduki
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ルーフダクト(ルーフベンチレーター)奮闘記その1

 事の起こりは、Punto号のエアコンが効かなくなったことでした。
 もともと効きの悪いエアコンではあったので、数ヶ月は放置。しかし夏前になればそのままというわけにも行かず、ディーラーで相談したのが、昨年の今頃だったと思います。
 お決まりの、エアコンガス抜け。再充填してみてもすぐに抜けてしまうことから、配管のどこかからリークしているのだろうという診断。
 もちろん修理はできるけれど、まずどこから漏れているのか調べるところからはじまって、どこからであったとしても部品代はそれなりにかかり、工賃も……
 ということで、「エアコンは修理しない」ことを選択したのです。もともと私は年中窓を開けて走るタイプで、エアコンを使うのは雨の時のデフォッガー(窓の曇り取り)として使うくらいでした。しかも、エンジンルームからコンプレッサーを撤去すれば、それなりに軽量化もできます。
 そこで、こんなものを購入しました。

 コンプレッサーの撤去はとりあえず置いておいて、エアコンに代わるなにかが欲しいと言うことで、以前から付けたかったルーフダクトをこの機会に付けようと思い立ったのは、3ヶ月ほど前のことでした。いや、実のところちょうどその頃に、ダクト部分の部品がバーゲンプライスになっているのを発見して、ほとんど衝動的に買ってしまったというのが実情なんですが。
 ルーフダクトの部品はランサーエボリューション5用。私自身、以前からPuntoにはこの形が似合うと思っていたので、衝動買いと言っても「ずっと欲しかったもの」であることは間違いないのですが。
 だいたい、エアコンがあったとしてもサーキット走行時には付けられないし、この場合は安全上窓も開けられないので、ルーフダクトは大歓迎なのです。

 さて、ダクトだけあっても、役には立ちません。


 そもそもこのダクト部品、基本的には「飾り」として売られている物で、エアインテイク部分も穴が開いていない製品です。
 いや、たとえインテイク側の穴が開いていたとしても、それを車室内に引き入れる場所がなければ、エアコンの代わりにはなりません。
 そこで考えたのが、サンルーフの撤去→開口部をFRPで塞ぐことでした。
 FRPで作ったサンルーフの代わりの部品に穴を開けておけば、そこからダクトの風を車室内に引き入れることができます。
 FRP加工を専門の業者に頼むことも考えましたが、主に予算的な問題で自分で作ることにしました。形状的に複雑なところのない「ちょっと湾曲した平板」なので、FRP未経験者の私にも作れそうだと思えたし。
 問題は、型をどうやって作るか、です。
 本来は、標準のサンルーフに離型剤を塗りたくってFRPで型取りし、それを雌型にまたFRPを使ってサンルーフの複製を作るのですが……。
 今回は1回作ればいいだけで雌型を保存する必要がないということで、webで検索した裏技、「油粘土を型にする」という方法を採りました。
 コンパネ(厚い合板)を土台に、コーナンで1個200円で売っている油粘土を30個、大まかに中央を凹ませるような造形をしながら敷き詰めて並べ、そこに実物のサンルーフを圧しつけて曲面をチェック→またへこみを修正という作業を続けます。
 型作りに3〜4日かかったでしょうか。

 一気にFRPで造形したのが画像の状態。FRPはグラスマットを使い2プライ(2層重ね)としました。ただサンルーフをそのまま作るだけではなく、ダクトの後端がルーフの中に少し埋まってくるようなへこみも作ってあります。これは、ルーフの曲面とダクトの面が合っていないのを多少なりとも吸収するための造形です。
 1層目は不慣れ(ていうかFRP造形なんてはじめて)なのと面積が広いため、グラスマットに樹脂を染み込ませる(がんしんというそうです)のがやっとで、細かい気泡を抜く前に樹脂が硬化してしまいました。
 2層目も中心付近は気泡抜きまでできたのですが、端部分は1層目と曲面を合わせる前に固まってしまい、とても細かいところをお見せできるような出来ではありません。まあ、初めてのFRP作業でこれだけのものができただけでも上出来と思っています。

 この後、外周を車体のサンルーフの穴から入るように切り取って、パテ盛り作業に入ります。
 幸い、全体の曲面はだいたい元通りにあっていたようですが、FRPはもともと硬化時に収縮して形が歪みます。この場合は表面の凹凸にそれが現れるはず。その上、粘土を型にしたためにもともと表面が平滑ではありません。どんなに丁寧に作業をしてもやはり型にも凹凸があったのです。
 そんなわけで、このパテ盛り作業のポイントは二つ。
○部品の外周をサンルーフの穴にぴったりはまるようにすること。
○表面を屋値の曲面と合わせること。
 画像のように車体に取り付けた状態でパテを盛り、取り外して削り……を繰り返す毎日のはじまりです。

 ということで本日はここまで。次回はダクト部品との合体→塗装→車体に取り付けまで一気に行きます。
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| クルマ | 11:03 PM | comments (0) | trackback (x) |

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