昨年7月の末、広島から帰ってくる途中で気がついた、左ドアのミラーの裏側にある内装部品の割れ。赤矢印の部分が完全に割れています。
外側から何らかの衝撃があったような形跡はないので、経年劣化と青空駐車中の熱とで割れたようです。裏側のデッドニング用と思しき銀色の粘着シートだけで張り付いているのが見えました。
新品部品を取って直してもいいけど、革シボ風のよくできたカッティングシートも発売されていることですし、そのうち自分で補修しようと思い、今日まで放置していました。
部品は赤丸のプラスチック部品を取り外して中にあるネジを外し、ちょっと引っぱれば外れます。
ところが分解してみてびっくり。「裏側のデッドニング用と思しき銀色の粘着シート」の正体は、なんと割れ目に沿って貼られている細いアルミテープでした。割れたあとに貼ったわけではありません。ディーラーが勝手にやったのでなければ、納車時から貼られていたはずです。
これはどういうでしょう?
- この部品はもともとここが割れやすいので組み立て時に補強としてすべての個体に貼られている。
- この個体の組み立て時の何らかの作業ミスで後の割れの原因になるような傷をつけてしまい、ごまかすためにアルミテープを貼った。
実際に割れた部品を元の状態に手で合わせてみると、力をかけないと表面の反りがぴったり合いません。そこからすると前者が正しいように見えますが、188系プント所有者のブログなどを見ていても、この部品の割れが話題になっているところは見たことがありません。だとすると後者のような気も……
まあどちらにせよ、外車はいろんなことがあります。これも含めて楽しみだと笑って済ませることにして、補修作業を開始します。
作業はまず表面からマスキングテープで部品を仮固定するところから。この状態で、裏面からアクリル用接着剤を染み込ませてとりあえず接着します。ただし前にも書いたように、ちょっと力を加えてやらないと曲面が合わないので、これだけではほとんど強度はありません。裏面から補強を入れないとだめです。
補強に使うのは、RCカーのポリカボディの補修に使う、グラスネットとシューグーという特殊な接着剤です。
シューグーは本来は靴底の補修用に使う接着剤で、乾燥すると固いゴムのような質感になって、若干の曲げには対応できます。グラスネットは引っぱり強度に優れた補強材です。
グラスネットを適当に切って割れた箇所に貼り付け、その上からシューグーを盛って接着します。特に理由はありませんが、今回は透明のシューグーを使用しました。
シューグーが固まったら、400番のサンドペーパーで表面の段差を削ります。上から厚手のカッティングシートを貼るので表面の仕上がりを気にする必要はありませんが、目立つ段差があると見えてしまうので。さらにこの後シートの粘着力を高めるためにクリアのラッカー塗装をするので、ツイータースピーカーが付くネットの部分にはマスキングをしてあります。
皮シボ風のカッティングシートを貼り付けて部品の完成状態です。カッティングシートは暖めると柔らかくなって曲面になじませられるようになるので、曲面の部分や裏側に回り込ませるところはドライヤーで暖めてから作業すると、しわなく仕上げることができます。
内装部品を外した状態のドア裏面。ツイーターやミラー用の配線が通っています。
ここに、外した時と逆の手順で部品をはめ込みます。
内装部品を取り付けた状態です。厚みのあるカッティングシートを裏側まで回り込んで施工したのでフィッティングが少し不安でしたが、問題なく取り付けられました。
ただ、色はグレーの方が元の内装と合っていたようです。まあ、気にならない程度ですが。
| https://blog.tsuduki.com/index.php?e=401 |
|
クルマ | 03:55 PM |
comments (2) | trackback (x) |