■CALENDAR■
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
<<前月 2024年04月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■PROFILE■
都築由浩
SFやらミステリやらホラーやらをライトノベルジャンルで書いている作家。
コミック原作・編集デザインなどその他さまざまな職業を兼業する。
クルマ・R/Cカー・自転車・ホビーロボットなど多趣味で、それらの道具や仕事の資料が散らばる自室が常にゴミ箱のような様相を呈していることから、巻末に『9畳のゴミ箱より』と記する。
■RECENT COMMENTS■
■CATEGORIES■
■都築由浩HOMEPAGE■
■ARCHIVES■
■COUNTER■
total:
since 30.April.2008
■利用規約■
本blog内の個別のページにリンクするのは構いませんが、画像やムービーなどに直接リンクをしたり、URLを使用して自身のページに直接貼り付けたりする行為はご遠慮下さい。
本blogに掲載されている写真、文章等の著作権は筆者およびそれぞれの作者・撮影者に帰属します。無断でのコピーや転載等はご遠慮ください。
  
2008(C) Yoshihiro Tsuduki
  All right reserved.
■注意■
SPAMコメント対策のため、ページを開いた後1分間以内にコメント書き込みボタンを押された場合、コメントが反映されないことがあります。オフ書きされる方はご注意ください。
■OTHER■

第3回水中ロボットコンベンション
 辰巳国際水泳場で開催された第3回水中ロボットコンベンションを見学してきました。
 はじめて実物の水中ラジコンを見たのは5〜6年も前だったでしょうか。その頃は走っている姿よりも整備中の姿を見ることが多く、まだまだ信頼性の低いものだという印象でしたが、ホビーレベルのいわゆる『潜水艦R/C』(見た目が宇宙船であろうと何らかの方法で浮沈をコントロールして水中に潜れるR/Cを総称)のノウハウは確実に進歩しているなぁという印象。まあ、2年前の『ずんこん』の時点でもそういう印象は受けたわけですが。



 また、実用的に運用されるROV(川底とかの調査に使われる有線でカメラを搭載した小さい潜水艇)も、信頼性が上がると共にもちろん小型化(操作機などの補機を含む)が進み、操作も簡単になってきました。体験操縦させてもらったけれど、数分でかなり自由自在に操れるようになりました。さすがに、潜水艇から送られてくるカメラ映像を見ながら操作……というわけにはいきませんが。

 上画像で、左手でつまんでいるのが浮沈をコントロールするつまみ。前後左右は右手のスティックでコントロールしています。コントローラーボックスの奥に見えている小さくて黄色いのが、プールの中にあるのとまったく同じROV。


 今回注目したのは、生物を模した『アクアバイオユニット』。特に東京工業大学のACM-R5(上画像・下の2枚目は各体節部をつなぐ蛇腹の中身)は外観からも非常に完成度が高く、ここの体節部を繋ぐ蛇腹の中には2軸の関節が組み込まれ、陸上では『頭を持ち上げた威嚇のポーズ』なども自由自在。また、水中では自ら身体をくねらせて浮沈することもできるすばらしく生物的な動きを見せてくれました。この機体はそうとう試行錯誤を重ねられたろうと思いました。

 最初は「生きている蛇を同じ方法で陸上を進むロボット」から開発がはじまっていながら「自重の影響が緩和される水中の方が動きがいい」というあたり、生物学の面からも非常に興味深いものがあります。(蛇の体型は元来水中に適応するために進化したものなのか? という疑問が生まれてくるという意味で)
 
 一般開場の10時半からずっと会場にいて、さすがにもう見るモノもなくなってきたので帰ろうかと思って出口に向かって歩いていると、JAMSTECの田代さんとNHKの人らしき若い男性が『うらしま1/5模型』の前で話しているところでした。話の内容がとても面白かったので、『うらしま』の駆動電源の話の途中で割って入り、そのまま1時間ほど話し込んでしまいました。
 ここで聞いた話は本当に面白かったなぁ。

 そんなわけで上の画像はJAMSTECのPICASSO(ピカソ)。2006年の所内アイデアコンペ(JAMSTEC内部では『アワード』と呼んでいるそうな)で採用されて作られた、海中生物の追跡・映像撮影に特化した機体。先日の東京湾の深海鮫を扱ったNHKスペシャルでも使ったのだけれど、残念ながらあまり活躍できなかった機体だとか。
 船体前部のハイビジョンカメラは別部品を取り付けることで顕微鏡にすることも出来、機体下部から前に張り出したブームの先端にあるLEDライトの列で照らしたプランクトンの生きたままの画像を撮影できるそうな。
 ただ、もともとがアイデアコンペから生まれた機体なので、運用する研究者は別に本来の仕事を持っており、予算の面でも人的な面でもなかなか運用の機会がないそう。
 こうした新しいコンセプトの機体は運用して得られる経験(トラブルも含めて)でどんどん本来の性能を生かせるようになる。場合によっては本来想定していなかったことまでやってのけたりするものなので、どんどん動かしてあげたい機体です。

 神戸・横浜そしてこの辰巳と、各地で開催されている水中ロボットイベント、回を重ねるごとにプールで動く機体が多くなり、展示もこなれてきて、見学するだけでも面白いイベントになりつつあります。今回は田代さんとさかなクンのトークショーあり、Mr.マサックのサイエンスショーあり、ペットボトルで造る潜水艦の体験工作教室ありで、子供たちも楽しそうでした。
 次回は来年5月末に神戸の海上自衛隊阪神基地隊のプールで行われる『水中ロボットフェスティバル』だそうです。
| https://blog.tsuduki.com/index.php?e=75 |
| ロボット | 11:21 PM | comments (0) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑