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都築由浩
SFやらミステリやらホラーやらをライトノベルジャンルで書いている作家。
コミック原作・編集デザインなどその他さまざまな職業を兼業する。
クルマ・R/Cカー・自転車・ホビーロボットなど多趣味で、それらの道具や仕事の資料が散らばる自室が常にゴミ箱のような様相を呈していることから、巻末に『9畳のゴミ箱より』と記する。
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2008(C) Yoshihiro Tsuduki
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丹波竜の里 上久下に行ってきました。

 突然ですが、兵庫県丹波市かみというところに行ってきました。
 ほぼ全身に近い良好な状態の恐竜化石が発掘され、丹波竜と命名されたそれが最近になって新属新種であることが認定、「タンバティタニス・アミキティアエ」という学名がつけられました。その丹波竜の実物大の像があるというので、映画『ジュラシック・ワールド』を見に行く前に、第1作『ジュラシック・パーク』における名シーンの一つを体感しにいこうと思ったのです。
 現地に入る前にあらかじめ丹波竜の里 かみくげ ホームページで予習していきました。


 丹波竜は龍脚類の植物食いわゆる首長竜に分類される恐竜で、映画『ジュラシック・パーク』の中では主人公のグラント博士がわけもわからないまま南米沿岸の謎の島に連れて来られて最初に目撃して感動する(この時点ではまだその後の危険な展開は起こっておらず、ジュラシックパークを訪れた人が体験するすばらしさを表現するシーンとして描かれています)ところに登場したブラキオサウルスと似た種です。

 というわけで、そのシーンを再現してみました。左右が入れ替わっているのは、ライティングの関係です。見上げてみるとその巨大さには感動します。これが生きて動いているのを見たグラント博士は、さぞや興奮したことでしょう。
 おっと。場所を書き忘れましたね。
 この恐竜像があるのは、舞鶴若狭道丹南篠山口から上久下地区に入るとすぐのところにある「元気村かみくげ」のすぐ横です。丹波竜の里公園という小さな公園に、この丹波竜とヴェロキラプトル、アンキロサウルスと思われる恐竜像があります。
 公園唯一の遊具もジュラシックな感じで、この口の中からアスレチックぽく胴体の中に登っていって、尻尾の滑り台で降りてきます。子供サイズなので私は使えませんでしたが。


 ヴェロキラプトルは公園のベンチの縁に飛び乗ったような姿勢で作られており、座るとこんな写真が撮れます。このヴェロキラプトル、よくできているのはもちろんですが、目が正面向いて作られていて、この位置に座るとばっちり目が合うんですよ。なので、微妙に笑えてないいやげな表情は演技ではなくマジです。この距離で座ると結構気味悪いですよ。

「元気村かみくげ」は現地産の農作物や卵の直売所、素朴な食堂とみやげ物売り場、それに、子供たちが化石採集の体験をするコーナーがあります。そして、恐竜化石採集地へはここの駐車場から400メートルほど歩いて行くことになります。
 田んぼの中に伸びる道路に恐竜の足跡がペイントされていて、それをたどっていくと、国道からも見えていた大きな看板があります。ここから10メートルほど落ち込んだ下を篠山川が流れており、その河原が化石の採集地です。歩道沿いに地層や断層の説明プレートが設置されていました。

 歩いて行くと、レンガ造りの古い建物が見えてきました。旧上久下村営発電所。大正11年に村長以下村の有志が家財やら山やらを売り払って作った水力発電所で、昭和38年に発電が終わるとそのまま放置されて荒れ果てていたのですが、偶然この建物のすぐ下で恐竜化石が発見されたことで、発掘地を真上から見られる観光施設として復活したという建物です。窓から見下ろす「丹波竜発掘地」「地層・断層」はなかなかの見物でした。
 また1階は発電所として使われていた当時を写真などで振り返ることができます。ここも興味深かったですよ。

 見学無料。説明員のおじさんが気さくな人で、いろんな話をしてくれました。また、ここの裏手から河原に降りて発掘地のすぐ目の前まで行けるのですが、発掘地は化石の保護のためコンクリがかぶせられていて、しかも自然の岩だらけの河原なので、それなりの靴を履いていないと危険だと思います。


 元気村かみくげから少し離れて、臨済宗妙心寺派・三会山説宗寺にも行きました。道路は遠回りしているのですが、丹波竜発掘地から直線距離なら1kmほどでしょうか。
 ここは古来から龍魂寺とも呼ばれており、開山から四百二十余年の古刹。
 平成十七年というから2005年の3月。記念植樹のための掘削穴から龍の頭の形をした岩が掘り出されます。檀信徒はこれを瑞兆と噂し、そして翌2006年の8月、すぐ近くで丹波竜の化石が発見されたのです。
 掘り出された「龍の頭の形をした岩」は、「龍魂石」として境内に安置されています。


 次に向かったのは、恐竜からは少々離れてにちです。
 ここには「八百姫髪塚」という石碑があるというのです。ここでは「八百姫」と呼ばれていますが。明らかにこれは有名な「八百比丘尼」のこと。生まれ故郷の若狭小浜で即身成仏したといわれている八百比丘尼が、ここで亡くなったという伝承があるそうです。

 連日の真夏日でこの日も好天に恵まれてずっと汗ばむような陽気だったのですが、森に囲まれたこのにちにいる間だけはなぜか涼しくて、特に、駐車場から山門に行く途中にある八百姫髪塚のあたりはゾクゾクと背筋が寒くなるような空気に包まれていましたよ。

 慧日寺から国道沿いに戻ると、近くに『丹波竜化石工房 ちーたんの館』というミニ博物館のような施設があります。丹波市役所の支所の隣で、駐車場なども完備されている立派な施設です。ここは博物館で、発掘されてクリーニング済みの丹波竜化石が内部の壁面にはり付けるような形で展示されています。全身骨格の絵に重ねるように並べられていて、「ほぼ全身にわたる」と言われている化石のどこが見つかっているのかわかりやすい展示になっています。

 丹波上久下、思った以上に楽しめました。大阪からなら片道2時間かからないし、また行くかも。
 基本的にのどかな農村なのですが、いろいろ妄想が拡がる土地でした。
 映画『ジュラシック・ワールド』で恐竜に興味を持った子供たちに、ぜひ訪れて欲しい土地でもあります。
| https://blog.tsuduki.com/index.php?e=486 |
| その他 | 12:26 PM | comments (0) | trackback (x) |

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