『時空を越えて船橋サーキットラン2days』というイベントに参加してきました。
基礎知識として「船橋サーキット」とはなにかというと、1965年〜67年というまさに日本のモータースポーツの黎明期に東京都の船橋に存在したサーキットで、今ではレジェンドになった浮谷東次郎や川谷稔といったドライバーたちが活躍した伝説のコースです。
このサーキットを、大阪府泉大津市にある広大なアスファルト舗装の広場に再現して、クラシックカーを中心としたレースイベントを行おう。というのがイベントの趣旨。
クラシックカーイベントと言ってもいわゆる「置き系」ではなく「ガチで走る」がコンセプトに含まれているので、私はペースカーとして参加することになりました。
上画像はコース内のスタートラインより前に陣取って出走を待っているところ。右画像は朝にペースカーのためのフラッシュライト設置を終えたところです。ライトは赤と青の点滅でペースカー走行中であることを後続のレースカーに伝えます。
ペースカーとはいえそれなりのスピードで特設サーキット内を走行するので、ヘルメットだけでなくレーシングスーツやHANS(衝突時に首を保護する装置)も装着しています。
コース図は上の通りです。実際にはこの図よりコース幅が広かったと思います。
基本的には走りやすいコースで、中高速コーナーと低速コーナーがバランスよく配置されたいいレイアウトだと思いました。
ペースカーとしては「スタートラインから1周半走ってピットへの出口通路から出る」というのがお仕事です。
スタート直後の1周目のロングストレートは上限60km/hで、2周目は上限80km/hで走行。インフィールドは40〜60km/hくらいだったでしょうか。
赤い点線で示した2箇所が、ペースカーとして走っていて辛かったところ。
ロングストレートエンドのシケインぽいS字から始まるいくつかのコーナーは、その形状から「ソックスコーナー」と呼ばれていたそうです。徐々にコーナーがきつくなっていく構成で、最初のS字を行けるスピードで行ってしまうとあとで辻褄が合わなくなります。
ピットロード前の右直角コーナーは、ペースカーならではの厳しさがありました。
コーナーの手前から右ウインカーを出してコースの右に寄り、インからインベタのままで回らなければならないからです。これはきつかった。(レースカーだったらピットインする時でもアウトから進入するところでしょう)
どうしても大幅に減速せざるを得ない状況なのですが、後続のレースカーは次のメインストレート(タイム計測スタート)に備えて少しでも高速で抜けたいわけで、追突されそうになることが何度かありました。
そんなわけで、二日目となる日曜の朝のミーティングでは「あそこは僕はすごく減速しないといけないので、後ろにつかないで」とお願いさせてもらうに至りました
イベントは、たくさんのクルマたちが何度も走り、スピンしているところも何度も見ましたが、クラッシュはひとつもなくさすがはジェントルマンドライバーと感心させられました。
また、往時の船橋サーキットを知るレジェンドドライバー高橋晴邦さん鮒子田寛さん桑原彰さんによるトークショーなども行われ、会場内は常に笑顔で溢れる幸せな時間が流れていました。
なお、今回、関西学院大学自動車部の学生さんたちがコースマーシャルを務めてくれました。普段はジムカーナやダートトライアルをやっていると言っていた彼らも、フリー走行枠で伸び伸びと走っていましたよ。
では、続きは参加車両のごく一部の写真を。
会場内でも特に異彩を放っていたこのマシン。イギリスかどこかのコーチビルダー製かと思ったら、なんとお手製のワンオフレーシングカーだそうです。すごい!
走りもレーシングカーの動きをしていてすごかったです。やっぱり軽さは正義だなあと思いました。
ハチ北でもお馴染みのフェアレディZ。今回はレジェンドドライバーのデモ走行用車両としても走っていました。格好良かったです。
こちらもハチ北の常連でもあるアリタリアカラーのフェラーリF355チャレンジ。今回はドリフト走行で観客を魅了していました。
あらゆるところに手の入ったAE86。私はペースカーなのにこのクルマに後ろに突かれると「圧力を感じて」ついついペースアップしてしまうという(笑)。ドライバーもアマチュアとしてはトップクラスの腕のある人なのでそこは安心していましたが、とにかくプレッシャーのあるクルマです。
FIATパンダ。このクルマもドライバーの腕でしょうか、ものすごく速かったのです。
ロータスコルチナ。フォード製の車体にロータス製のエンジンを積んだこの車両はドンピシャ「船橋サーキット」と同時代のマシンです。大きく車体をロールさせて走る姿は当時そのままでした。
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クルマ | 11:25 PM |
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